2012年5月31日木曜日

インタラクティブな技術

インタラクティブな技術

自分が持っている能力を十分に発揮できない
場面はしばしばあります。
それが、能力がなくてできないのか、
それとも能力はあるけれどもなんらかの理由でその能力を
発揮できないのかを区別することは重要です。
方向オンチを語る時も、空間能力があるのかどうかという
能力の存在に関する議論と、持っている空間能力を
発揮できるかどうかの議論を分けて考えることが必要。
認知科学の分野では、この前者の意味で能力を「コンピテンス」、
後者の意味での能力を「パフォーマンス」と呼んでいます。


私たちが関心を持っているのは、
空間認知に病的な傷害を持っていないにもかかわらず、
空間に関わる作業をうまくこなせない人たちなのです。
昔の人は自分の住んでいるところからほとんど離れることがなかった。
家と畑・勤務先・学校などへの往復をしている人にとっては
自分が方向オンチであるかどうかはあまり関心がなかったのでしょう。
その逆に非常に活発で初めての場所に臆せず行こうとする人が、
失敗の経験を多く持つこと考えられ、そうした人が自分は
「方向オンチ」だと思い込んでしますのかもしれません。
しかし、その人の移動能力(コンピテンス)を低いと考えるよりは、
自動の場面におけるパフォーマンスが
うまくいっていないのだと考えた方がよいのではないのでしょうか。