2012年5月30日水曜日

認知地図と地図の違い

認知地図と地図の違い

認知地図という名前から、多くの人は実際の物理的な空間を
反映した地図のようなものが、
そのまま頭の中に入っていると思うかもしれませんが、
多くの研究者は、認知地図は実際の地図とは異なるということを示しています。
あなたの住んでいる街を詳細に思い描いて、
その頭の中の街の地図上で家から最寄りの駅までの経路をたどってみてください。
さてあなたが思い描いた地図、これが認知地図になります。
あなたが思い描いた地図を見直してみると、
実際の物理環境をそのまま写し取ったものではなく、
さまざまな点で不完全であり、道路や空間を自分にとって
理解しやすいように単純化している。

私たちは二本の道路が並んでいれば、
その二本は平行していると思ったり、道が少しくらいカーブしていても、
まっすぐであると思いがちです。
もっともよくある思い違いは、交差点の形を誤解することです。
直角より小さな角度で交わっている交差点の交差角度を
大きく見積もる傾向に、逆に直角より大きな交差点は
小さく見積もる傾向があります。
つまりもとの角度がどうであれ、交差点は直角に
交わっているものだと思いがちなのです。
そのため、いくつか交差点を通りすぎたあとで地図を描いてみると、
これまでに通った交差点が直角に交わっていると思い込んでしまうので、
出発点と現在地の位置関係がズレてしまうのです。